シギサワカヤ著「お前は俺を殺す気か」、現時点で電子書籍という媒体で提供され、Kindleで読むことができる一巻から三巻を一気に読んだ。非常に良い作品だった。

本作は本屋の新刊コーナーに四巻が置かれているのを見て、一目で惚れ込んだ。表紙の良さに加えて、「お前は俺を殺す気か」というタイトルの苛烈さに心を一瞬の内に奪われた。その場ですぐさま手にしていた携帯電話でKindle版で買える分をすべて購入した。

目に入れて惚れ込んだ、眼前にあった紙という媒体で購入しなかったことはあまりにも不誠実である。自分勝手な都合ではあるが、購入した書籍をすべて収め切れるだけの本棚の都合をつけることが難しく、電子書籍に偏重してしまっている。そのため本作も最近の傾向をそのまま当てはめて電子書籍という媒体での購入となった。

しかし、いまのわたしはその選択を後悔している。

電子書籍という媒体で提供される作品は、紙媒体にくらべると同じ作品であっても発売が遅くなる傾向が見られる。その理由に関しては該当の作品を提供する出版社によってさまざまであり、外野でしかないわたしには想像することしかできない。想像でしかないことをことさらに言うつもりもなく、ただ残念であると思いつつも待つしかない。

本作に限って言えば電子書籍という媒体で買ったのは失敗でしかなかった。続きが気になってしまう。どうしようにもなく続きが気になってしまう。本記事を執筆している段階で「お前は俺を殺す気か」は四巻まで刊行されている。しかしKindleで読むことのできる電子書籍という媒体ではまだ三巻までの提供である。最新の四巻を読むためには、紙という媒体で読むしかないのである。

本作について語るのは、どんな言葉で装飾しようとも無粋でしかない。しかし一言で言えば非常に美しい世界を描く物語である。

この先の「世界」はどうなるのであろうと気になってしまい「次へ、次へ」と心がはやり、ページをめくる手が止まらない。

この記事を執筆しているのは日付が変わる前後という時間である。当然書店は閉まってしまっている。もはや今のわたしの心は本作の続きをはやく読みたいという感情で大半が占められてしまっている。

こうも心を奪われる作品に出会えたことに感謝するしかない。こうした作品に出会う度、「ああ本当に生きていて良かった」と感じる。今後の人生、あとどれほどの数ここまで感情がゆさぶられる作品に出会えるかわからない。これからもひとつひとつの作品との出会いを大切にしていきたい。